REVIEW

傷つきながら、輝いていたー「君の名前で僕を呼んで」

2018-06-03

 

 

このタイトルを初めて目にした時、すごく好きな人がいた時のことを思い出しました。
「その人の一部になりたい」と思うことが、「好き」の最上級だと思っていたし、これはその心の叫びそのものだと思うからです。

主人公エリオは、家族と北イタリア避暑地で17歳の夏を過ごしていました。

そこに、エリオの父の教え子がやってきます。それが、オリバーでした。
彼はアメリカ人で、「Later (あとでね)」が口癖。はじめは気に入らないと思いながらも、知らず知らずのうちにオリバーに惹かれていき、2人は激しい恋に落ちます。

 

傷つくのを恐れて、興味のない子と遊んで気を紛らわしたり、結末がわかっているからこそ、その時の幸せをうまく受け入れられなかったり、10代の不器用な心の動きがスクリーンから滲み出ていました。

ふたりをみていると、次から次へと、ずっと心に封印していた日々が蘇えります。
わたしは自分が過ごした「その時」のことを、どこか恥ずかしいと思っていて、忘れてしまいたいとまで思っていました。
青すぎた自分が恥ずかしいし、バカみたいにその人のことしか考えていなかったからです。

でも、この映画が、その時のことを忘れなくていいと肯定してくれました。

「好き」なんていう感情がこの世にある事を恨むほど、辛い時もあったけれど、あの頃、身を引き裂かれる思いをしておいてよかった。
傷ついていた時は、きっと輝いていた時でもあったのだ、と思えました。

 

夏には、心も体も解放される「魔力」みたいなものがありますよね。

今年も夏至を迎え、夏の匂いが漂ってきました。
ちょっと胸が高鳴っているのも、この映画の存在があるからかもしれません。

 

 

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