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音楽から、もう一つの物語が見えるー「映画音楽のすすめ①」

2018-07-13

 

映画は、映像と音楽が融合した芸術作品なのだと、最近つくづく思います。
「いい映画だった」と思う時はいつも、劇中の音楽にも満足していることが多い気がします。

素晴らしい物語と、素晴らしい音楽がぶつかり合ったとき、それは忘れられない名作になるのだと思います。

今回は、映画を通して出会った音楽を5つを紹介します。

 

 

①City of Stars ーLA LA LAND

第89回米・アカデミー賞など、数々の映画賞を席巻した「ラ・ラ・ランド」
鑑賞する前からサントラにハマってしまうほど、劇中歌は魅力的なものばかりです。

なかでも、City of Stars は旋律が美しく、頭から離れません。

 

City of Stars (「スター」だらけのこの街)
Just one thing everybody wants (みんなの願いはただひとつ) 
It’s love (それは愛 )
Yes, all we’re looking for is love from someone else  (そう、私たちはみんな、誰かからの愛を探している)

 

映画の地・ハリウッドで夢を追うミアとセブ。
夢を追いかけることは人生の喜びでもありますが、本当はみんな誰かに愛されたいのだと歌います。
しかし、夢も愛も手に入れることは、なかなか難しいことです。

全体的には明るいトーンで構成されている本作ですが、この曲が度々登場することで、登場人物の「陰」の部分を伝えていると思います。

ラ・ラ・ランドは名曲揃いなので、他の曲も是非聴いてください。

 

 

②I Follow Rivers ー「アデル、ブルーは熱い色 」

2016年、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した作品です。
2人の女性の激しい恋を、赤裸々に描いたことで話題となりました。

女性同士という部分に抵抗を持たずに、たくさんの人に見てほしい作品です。

物語の中盤、主人公アデルの誕生日に皆で踊るシーンがあるのですが、そこで流れる曲がとても印象的でした。

 

Oh I beg you, can I follow ( ついていってもいい?とあなたに頼む )

Oh I ask you, want to always ( いつも、とあなたにお願いする )

Be the ocean, where I unravel ( 海になって、そうしたらもう私の手には負えない )

Be my only, be the water where I’m wading ( 私だけのもの、私だけの海になって)

You’re my river running high, run deep run wild (あなたは私の川、高いところで、深く、荒々しく流れている)

 

好きな相手のことを川に例えた、情緒あふれる歌詞ですね。
よく理解して聞くと、恋に深く溺れたときの、相手に対する敬愛狂気が混ざったような気持ちが蘇ります。

この時のアデルの不安な気持ちや、その後の展開を暗示しているかのようにも感じられます。

 

 

 

 

③Wonderwallー Mommy

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みればみるほど苦しい。なのに、なぜか凝視してしまう…
ここまで心を揺さぶられたことは無いというくらい、衝撃を受けた作品です。
グザヴィエ・ドラン監督は、デビューからずっと家族の間に生まれる不器用な感情を描き続けていますね。

障害を抱えたスティーブと母親の、不器用な愛を描いた本作。
オアシスのWonderwallという曲が使われているのですが、この映画のために作られたのかと思ってしまうほどマッチしています。

 

Because maybe  (なぜなら、たぶん)
You’re gonna be the one that saves me    (君が僕のことを救ってくれる唯一の存在なんだ)
And after all (そうやっぱり、)
You’re my wonderwall (君は僕の、魔法の壁なんだ)

 

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Wonderwallとはいったい何なのか、この映画を見てやっと理解できた気がします。
スティーブにとって、母親は誰にも代えられない、自分を守ってくれる魔法の壁なのです。
また同じように、母親にとっても、スティーブはそのような存在なのだと思います。

 

この曲を使うことで、物語のテーマ最大限に引き出すことができているのではないでしょうか。「マミー」を観てから、この曲がさらに好きになりました。

 

 

 

 

④ひずみ ー「世界から猫が消えたなら」

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世界から電話が消えてしまったら、
世界から映画が消えてしまったら、
世界から自分が消えてしまったら、どうなるんだろう?

 

余命わずかと宣告された主人公が、身の回りのものを1つ消すことで、1日生き延びるというストーリー。
いま自分の目の前にある世界を見つめ直せる、素敵な作品です。

 

ただ生きてないで 死んでないで
今を渡っていって
もう迷わないで LOOPの世界
泳ぎ渡っていって
もう夜明けは来るよ

 

これは、本作のエンディング曲である「ひずみ」の歌詞です。

ただ生きてないで 死んでないで
なかなか使わない言い回しですよね。

でも、不器用な歌詞だからこそ、HARUHIさんの等身大の想いが伝わってきます。
「ぼーっと生きてるんじゃないよ」と優しく喝を入れてくれる、強い言葉だと思います。

 

透き通っていて、且つ力強さのあるHARUHIさんの歌声。
物語は少し悲しい終わりを迎えますが、この曲が希望を残してくれました。

 

 

⑤Sweet Child O’ Mine ー「はじまりへの旅」

最後は、かなりユニークなこちらの作品です。

ヒッピーとして森で生活していた家族が、あることをきっかけに町に足を踏み入れます。
普段の食事は自給自足。スマホもなく、学校にも通っていない彼らが普通の暮らしに馴染めるはずもなく…

「自分たちがあるべき姿」とは何なのかを見つめ直していく、ロードムービーです。

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この作品から紹介したいのがSweet Child O’ Mineという曲。

もとは、Guns N’ Rosesというロック歌手の曲で、ボーカルの方の当時のガールフレンドについて書いた曲なのだそうです。

 

Now and then when I see her face   (時折彼女の顔を見ると)

She takes me away to that special place  (僕をあの特別な場所に連れていってくれる)

And if I stared too long  (だけど見つめすぎると)

I’d probably break down and cry  (たぶん、僕は泣き崩れてしまう)

Oh, sweet child o’ mine   ( 君は子どもみたいに可愛い )

Oh, sweet love of mine    (僕の大切な愛しい人)

 


歌詞が独特で、相手のことを大切に想っている気持ちがあふれ出ていますよね。

これは、お母さんが好きだった思い出の曲。
それを家族全員で歌う姿はとても清々しく、前に進むパワーをもらえます。

 

 

 

以上、好きな映画音楽を5つ紹介しました。

映画にとって、音楽はとても重要な要素で、もう一つの脚本とも言えます。
歌詞やメロディをしっかり吟味すると、より深く物語を捉えられます。また、作者が作品に込めたメッセージの真意を読み取れるかもしれません。

「この曲いい!」と思うものがあったら、映画のほうも是非チェックしてみてください!

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