COLUMN

遺された言葉は、生き抜くためのエッセンスー「愛すべきおじいちゃん映画BEST5」

2018-09-25

 

「とにかく、たくさんの友達つくれ」
これは、私の祖父が言っていた言葉のなかで、一番印象的な言葉です。
決して友達が多いわけではない祖父が、どうしてそんなことを言うのか不思議でしたが、表情はとても真剣でした。

人生の大先輩の言葉には重みがあり、普段受け入れられないことも、スッと胸に入りこんでくるものです。
今回は、人生を考えたい時に観てほしい、おじいちゃんが主役の映画を5つ紹介します。

 

コーヒーと、タバコと、微笑みを。

1 LUCKY (2017)

英語とスペイン語が飛び交う、アメリカ南西部の街で過ごすラッキー。90歳。
頑固で少し厄介なおじいさんですが、街のみんなから愛される人気者です。

毎日同じような生活を送っていたある日のこと。ラッキーは自宅で一人倒れてしまいます。
タバコをふかしても、たくさんお酒を飲んでもピンピンしていたラッキーですが、これを機に彼に近づきつつある「死」について考え始めます。

It’s all going to go away. (全て、どこかにいってしまうんだ。)
You, you, you, you, me, this cigarette, everything… into blackness, the void.  (おまえも、おまえも…俺も、このタバコだって全部… 真っ暗闇の中に。「無」に消えるんだ。)

物語終盤、ラッキーは行きつけのバーでこのようなに口にします。
見えつつある人生の終着点。彼が人生に見出した光とは、何なのでしょうか。

それは、作品を通してみなさんに感じていただきたいです。


この作品は、主人公ラッキーを演じたハリー・ディーン・スタントンの遺作となってしまいました。
撮影当時、実際に90歳だった彼が出演したことが、この映画の一番すごい所だと思います。脚本や設定は、ハリー・ディーン・スタントン本人の経験を元にしているのだそうです。

 

 

ロクでもない不良じいさんと、
少年の友情物語

2 「ヴィンセントが教えてくれたこと 」(2014)


いじめられっ子のオリバーと、近所に暮らす老人ヴィンセントの交流を描いた物語です。
ヴィンセントは、ギャンブル好きのお酒好き…。
一見ただの不良じいさんなのですが、彼と生活を共にすることでオリバーは、自分を自分で守ること、そして物事の良し悪しの判断の仕方を学んでいきます。

なぜどいつも「お悔やみを」と言う?
「彼女はどんな人だった?」「彼女が恋しい?」「これからどうする?」

他にも言い方はあるだろう。

最愛の人を亡くしたとき、ヴィンセントが言い放つこのセリフがとても好きです。
自分自身で疑問を持ちながら日々生きている事が、この言葉から伺えるからです。

ヴィンセントの人生は、見る限りでは確かにロクでもないものかもしれません。
しかし、やりたいことを我慢せずにやり、愛する人を想い続ける彼はとても人間らしく、どこか憎めません。
「いい人間」とはどんな人のことなのか、この映画を観ながら考えてみてください。

 

 

人生は、だんだん美しくなる。

3「人生フルーツ」 (2016)

「人生フルーツ」の画像検索結果
建築家の修一さん(90)と、妻の英子さん(87)。
ふたりは愛知県、春日井市の小さな赤い屋根の下で暮らしていました。
しかし、ただほのぼのと暮らしているわけではありません。

食べ物はできるだけ自給自足、買うときも食べれる分しか買わない。
便利になっていく世の中から少し離れ、例え時間がかかろうと、自分たちでできる事は自分でやる。

ふたりは、自分の力で生きることを忘れない生き方を実践しているのです。
これは中々真似できることではないと思いました。

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お互いを尊重し合い、永遠の少年少女のようなふたりの姿がとても素敵で、こんなふうに歳をとりたいと思わずにはいられません。
小さなことを、ひとつひとつ積み重ねていく。
そうすれば、人生はどんどん実りのあるものになるのだと教わりました。

丁寧でありながらも、力強く生きるふたりの生活をのぞいてみてください。

 

 

「ファッションは、生き抜くための鎧なんだ」

4 Bill Cunningham New York (2010)

青い上っ張りを着てNYの街を駆け回る、ビル・カニンガム。
彼は、
NYタイムズ紙のファッションコーナーを50年ほど担当していた伝説の写真家です。
仕事道具はカメラと自転車。個の輝きを放つファッションを求めてニューヨークの街を駆け巡ります。
一つのことに心を奪われ、熱心に取り組む人の姿ほど魅力的なものはありません。


驚いたのは、有名人がお金をかけてしているオシャレには一切興味がなく、あくまでストリートで輝いているファッションスタイルを記録しているということ。
彼が撮りためてきたものはニューヨークの歴史、そして人々の記憶そのものでした。

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ファッションとは、「生き抜くための鎧」そして「文明」であると定義するビル・カニンガム
惜しくも2年前に亡くなってしまいましたが、この作品を通して、彼の哲学が多くの人に届いてほしいです。

 

 

静かな涙を誘う、父と息子の物語

5「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 」(2013)

「宝くじに当選しました」という詐欺に騙されてしまった父・ウディと、それを見守る息子・デイビッドの物語。
ウディは騙されているとどこかで分かっていながらも、絶対に賞金をもらうのだと宣言し、2人はネブラスカ州リンカーンを目指すことになります。

旅の途中、2人ははウディが生まれ育った街を訪れます。
実はお人好しで正直者。普段からは想像もつかない父親に姿をデイヴィッドは目の当たりにします。

シンプルなストーリーではあるものの、そのおかげで人物の心の動きにフォーカスして観ることができました。

必見なのは、新しいトラックで街を走るラストシーン。
私たちには見えない、彼らの青春時代の記憶を垣間見ているようで、なんともノスタルジックで清々しいシーンなのです。

「何かを残したかったんだ」とポツリと話す父親の背中、そんな父を見守る息子のやさしい眼差しが印象的な、静かな涙を誘う作品でした。

 

 

歳を重ねた人々が発する言葉には、何かが宿っていると、これらの映画を観返して改めて感じました。
彼らが
積み重ねてきた経験から抽出された言葉。
それは、人生を生き抜くためのエッセンスであり、
私たちの生きる糧になる教えだと思います。
みなさんが人生に迷ったとき、この作品たちがきっと背中を押してくれるはずです。

行き詰まった時には、大先輩たちの言葉に耳を傾けてみてください。

 

 

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